メールカウンセリング関連コラム

カウンセリングにおける自尊欲求

人間に内在する無数の欲求は、自尊欲求というひとつの欲求に集約されています。自尊欲求とは、死を念頭に置いて、充実した納得のいく人生を送りたい欲求、自分の生きかたや死にかたを受け入れ、尊びたい大切にしたい欲求です。人生観や価値観や生命観を包含した、人間の根源的な欲求です。自尊欲求は無数の欲求の源であり、すべての欲求は自尊欲求から派生して起こります。

つまり、食べたい、寝たいなどのさまざまな欲求は、自尊欲求から派生する副次的な欲求なのです。その副次的な欲求はピラミッドの底辺に向かって、寝たいので今していることを早く済ませてしまいたい、寝る前に風呂に入りたい、歯を磨きたいなど、さらに数々の新たに二次的、三次的な欲求を生みます。そしてさらに四次的、五次的な欲求が連鎖的に生まれていきます。自尊欲求は無数の欲求の源であり、すべての欲求は自尊欲求から派生して起こります。

人間の欲求は、生理的欲求、すなわち生命維持のための食事・睡眠・排泄などが根源的な欲求とされるのを見聞きします。しかし、自らに死を決意した大石倉之助やコルチャック先生、あるいは尊厳死を選択する末期患者のように、生命維持を辞退する場合には説明がつきません。人間には生命維持に優先する欲求があり、これが自尊欲求です。生命の維持や放棄は自尊欲求の充足の手段です。